薬機法と薬事法の違いとは【対象範囲と禁止事項を解説】
saka-ryosuke「薬事法」ってもう古い？いま知るべき「薬機法」との違い
「薬事法」と聞いてピンと来たあなたは、きっと少し前の表記を見て覚えているのかもしれません。実は、薬事法という名前の法律はすでに過去のものとなっており、現在は「薬機法（やっきほう）」という新しい呼称で法律が運用されています。
薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言い、2014年11月に薬事法からの改正を経て施行されました。つまり、法律の目的や骨組みは同じでも、現代の医療・美容市場の拡大や再生医療の発展に合わせて、大幅なアップデートがされたわけです。
このように、「薬事法＝古い呼び名」「薬機法＝現在の呼称」と認識することが、まず第一歩です。
薬機法がカバーする幅広い対象範囲を知ろう
薬機法は、ただ医薬品の販売を規制するだけの法律ではありません。日々の生活に欠かせない健康食品や化粧品、医療器具にまで広く適用されているのが大きな特徴です。
たとえば、市販の風邪薬や解熱剤などはもちろんのこと、美容液やシャンプー、さらには血圧計やコンタクトレンズなど、あらゆる商品が「対象物」として定義されています。それでは具体的に、どんなものが薬機法の網にかかるのか、一つひとつ見ていきましょう。
医薬品
体の不調を改善するために使われる医薬品は、薬機法の中心的存在です。頭痛薬や花粉症の薬、抗生物質など、処方薬・市販薬を問わずすべてが厳しく規制されており、効果・効能の表示や広告においても制限があります。
医薬部外品
薬とまではいかないけれど、一定の効果が認められている商品群が「医薬部外品」です。育毛剤やデオドラント、薬用石鹸といったアイテムがこれに該当します。医薬部外品も国の認可が必要で、許可なく製造・販売することはできません。
化粧品
スキンケアやメイク用品などの化粧品も、薬機法のもとに管理されています。注意すべきは、「美白」「アンチエイジング」などの言葉の使い方。医薬品的な効果を暗示する表現はNGとされており、広告には非常に繊細な配慮が求められます。
医療機器
一般的に家庭で使う血糖値測定器や、病院で用いるMRI機器まで、医療機器もすべて薬機法で分類されています。製品のリスクレベルによって承認制度が異なり、製造・販売・広告それぞれに細かいルールが設けられています。
再生医療等製品
iPS細胞や細胞治療など、次世代の医療技術に用いられる製品も、薬機法で新たに「再生医療等製品」として位置付けられました。科学の進歩に合わせて法律も進化し続けているのです。
景品表示法とはどう違うの？混同しがちな2つの法律
「薬機法」と並んでよく登場するのが「景品表示法（景表法）」です。どちらも広告のルールを定めた法律であるため、混同されやすいのですが、守るべき目的が根本から異なります。
薬機法は「国民の健康を守るための法律」であり、医薬品や化粧品などが不正な方法で売られないようにするための規制です。一方、景品表示法は「消費者を誤認させないためのルール」であり、たとえば“日本一売れてます”などといった過大な表示や根拠のない人気表現などを取り締まります。
つまり、薬機法は“効く”と嘘を言ってはいけない。景表法は“お得”と勘違いさせてはいけない。それぞれが異なる角度から、私たちの生活を守ってくれているのです。
薬機法で禁止されている主な表現と行為とは？
薬機法に違反すると、事業者は行政処分や課徴金などの厳しいペナルティを受けることになります。違反の多くは「広告表現」によるもので、SNSやYouTube、ブログなどでも例外ではありません。
とくに注意すべきなのが「虚偽・誇大広告」です。たとえば「飲むだけで痩せる」「1日で治る」「絶対に効果あり」といった断定的な言い回しは、たとえ本当に効果を感じたとしても、科学的根拠がなければ違反とされます。
また、まだ日本国内で承認されていない成分を含む製品を「効く」として売るのも薬機法違反です。さらに、「適正広告基準」に外れた体験談や比較表現も、違反の対象になり得ます。
薬機法対応はプロに任せる時代へ
薬機法は非常に専門的で、条文の読み解きだけでは運用が難しいと感じる方も多いはずです。どこまでがOKで、どこからがNGなのか。その境界線は非常に曖昧で、微妙な言い回しやニュアンスの違いで一線を越えてしまうことがあります。
だからこそ、薬機法に対応したコピーライティングや広告制作は、専門家に任せることが最も安全かつ効率的です。薬事チェックを行ってくれるコンサル会社や、医師監修を引き受けてくれるプロを活用することで、リスクを最小限に抑えながらマーケティングを展開できます。
まとめ｜薬機法を味方にすれば、信頼も売上も上がる
薬機法は、ただの制限ではありません。むしろ正しく理解し、うまく付き合っていくことで、消費者からの信頼を得る大きなチャンスにもなります。
今後のビジネス展開において、薬機法を「障害」と見るのではなく、「品質と信頼を担保するためのルール」と捉えて、より誠実で安心できるプロモーションを目指していきましょう。そうすれば、あなたの商品は確実に選ばれ、長く愛される存在になっていくはずです。
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